【ジアミンアレルギーとは?】白髪染めヘアカラーでアレルギーになる原因や対処法を解説
ジアミンアレルギーとは、白髪染めやヘアカラー剤(酸化染毛剤)に含まれる染料が原因で起きるアレルギーのこと。
- 赤みやかゆみ
- 腫れや発疹が出る
- ひりひりする
消費者庁の事故情報データバンクにも、毛染めによる皮膚障害の事例が毎年200件程度報告されており、ジアミンアレルギーには注意が必要です。
この記事では、ジアミンアレルギーの原因や症状について詳しく解説していきます。
「もしかして自分はジアミンアレルギー?」「ジアミンアレルギーになるのは極力避けたい・・」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
【ジアミンとは?】白髪染めやヘアカラー(酸化染毛剤)に含まれる染料のこと
ジアミンとは、一般的な染毛剤(酸化染料剤)に使われる染料の総称です。
ジアミンは白髪染めやヘアカラーに含まれる染料成分で、主に酸化染毛剤に含まれており、髪の内部に浸透して色を発色させる役割を果たしています。
染毛剤には欠かせない存在ですが、その一方でアレルギー反応を引き起こすこともあります。
鮮やかで長持ちするカラーを手に入れるためには、このジアミンが不可欠なのです。
ヘアカラーなどの酸化染毛剤には多くの種類のジアミンが使用されています。
ジアミンの成分について
以下に、主要なジアミン成分をいくつか挙げてみます。
- p-フェニレンジアミン(PPD)
- 最も一般的に使用されているジアミン成分で、特に濃い色を出すために使われます。しかし、肌に触れるとアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
- トルエン-2,5-ジアミン
- 一般的に使用されるジアミン成分ですが、PPDよりもアレルギー反応を引き起こしにくいとされています。
- ナフトールジアミン
- 特に暗い色合いを再現するために使用されます。しかし、PPD同様にアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
白髪染めやヘアカラーの分類される酸化染毛剤には多用なジアミン成分が配合され、色味の表現や発色に使用されていますが、アレルギー反応を起こす成分のため使用には注意が必要です。
【ジアミンアレルギーとは?】白髪染めやヘアカラーでアレルギーを引き起こす原因について解説
ジアミンアレルギーは、白髪染めやヘアカラーの成分であるジアミンに反応して起こるアレルギーです。
症状は、皮膚の赤み、かゆみ、腫れなどと多岐にわたります。
症状が現れるのは、身体がジアミンを外敵と誤認し、防御反応を起こすからです。
これがアレルギー反応であり、一度起こると、同じ物質に触れるたびに症状が現れます。
つまり、一度ジアミンアレルギーの症状が出た人は、ジアミンを含む製品を使うと、再び症状が出やすいのです。
ジアミン以外の成分でも白髪染め・ヘアカラーでアレルギーになる場合も
ジアミン以外のフェノール系と呼ばれる成分で、アレルギー反応が起きる可能性もあります。
フェノール系も染毛剤の染料として使われる成分で、ジアミンほどではありませんがアレルギー性や刺激性があります。
「白髪染めヘアカラーによるアレルギー発症が心配」「原因になりそうなものを避けたい」という方は、ジアミンと一緒にフェノール系の成分も入っていないかチェックしてみましょう。
【症状は?】ジアミンアレルギーの主な症状:こんな初期症状が出たら要注意!
ジアミンアレルギーを発症すると、肌に違和感が出始めます。
アレルギーの症状には個人差がありますが、少しでも皮膚や体に違和感を感じたら直ちに使用を中止しましょう。
以下に、ジアミンアレルギーで起きやすい症状を詳しく解説します。
皮膚の赤みやかゆみ
ジアミンアレルギーは皮膚が赤くなったり、かゆみを伴います。
アレルギー反応によって免疫系が活性化されて皮膚の血管が広がることで赤くなり、かゆみは炎症が引き起こされることで生じます。
薬液に直接触れた部位の頭皮・髪の生え際・首・耳の後ろなどによく現れますが、他の部位にも広がってしまうことも。
症状としては主に初期段階で出るもののため、つい「これくらいなら放っておけば大丈夫」と放置しがちですが重度のアレルギー反応が出る前に直ちに使用を中止するようにしましょう。
フケが出る
乾燥肌でもないのに、カラー後にフケが出始めたらアレルギーかもしれません。
アレルギーが発症すると頭皮に炎症が起き、肌のターンオーバーが乱れて表皮が剥がれやすくなります。
掻きむしると症状が悪化したり、回復に一層時間がかかってしまいます。
かゆみが出た場合でも、なるべく掻きむしらずに直ちに使用を注意しましょう。
重度になるとまぶたや顔全体が腫れることも
ジアミンアレルギーによって過剰反応が起こると、薬液が触れた部位以外にも症状がでてきます。
顔は、目の周りやおでこ・頬・口周りなど腫れが顔全体に広がることも。
特に、まぶたは皮膚が薄いので腫れやすい部位と言われていて、赤く腫れ上がり、まばたきが重く感じたりします。
絶対に放置せず、白髪染やおしゃれ染めの使用は中止しましょう。
発疹や水泡
さらにアレルギー反応がひどい場合は、体全体に発疹や水疱が現れます。
赤いかゆみを伴う斑点が腫れて水疱になると、触れるのも痛い状態になり水疱がやぶれて汁がでてくることも。
ここまでくると日常生活に支障をきたすレベルとなり、回復までにかなり時間を要することになります。
ジアミンアレルギーの症状は染毛から何時間後に現れる?
一般的にジアミンアレルギーは、染毛から6時間〜半日程度経ったころに初期症状が現れると言われています。
その後48時間までに、ひどい場合はさらに症状が悪化します。
しかし中には染毛から1週間後に発症するケースもあり、個人によってばらつきがあります。
一方で、ジアミンアレルギーは施術から時間がたった頃に現れるので、染毛が原因だと気が付かずに放置してしまう場合も。
アレルギーの発症時間は個人差が大きいので、皮膚に以上を感じたら使用を控えましょう。
ジアミンアレルギーは治るのか?
残念ながら一度ジアミンアレルギーが起きると、その後も一生続くと言われています。
アレルギー発症後にまたジアミン入りの白髪染め(染毛剤)を使うと、症状がさらに重症化していく恐れもあるのでとても危険です。
一度でもジアミンアレルギーを発症したら、白髪染め(染毛剤)は使わずにジアミン不使用の白髪染めヘアカラーへ変更しましょう。
皮膚や体に異常を感じたら迷わず皮膚科で治療を
白髪染めヘアカラーを使用後に、皮膚や体に何らかの異常を感じたらすぐに皮膚科を受診してください。
「なんだかかゆい」「すこしヒリヒリするかも」などの些細な症状でも構いません。
実際に初期症状の段階で皮膚科を受診したため、アレルギーが判明し重症化しないで済んだというケースも。
「あれ?」と思ったら早めに対処することで、さらなる悪化を防ぐことができます。
ジアミンアレルギーになったら?代替えの白髪用製品
ジアミンアレルギーの方や予防したい方も使える白髪を染める方法を紹介します。
ジアミンが配合されていない製品でも、白髪を着色していくことも可能です。
パラフェニレンジアミン(PPD)が含まないアイテムで白髪染めを楽しむ
ジアミンが入っていない製品でも白髪ケアできるアイテムはたくさんあるので、アイテム別に詳しく紹介していきます。
白髪染めカラートリートメント
白髪染めトリートメントは、普段のトリートメントの代わりに使用するだけで徐々に白髪を染めていくアイテムです。
- 塩基性染料
- HC染料
- 植物由来の色素
トリートメントに白髪染めの染料を加えたもので、髪表面に着色し使うたびに色が濃く着色していきます。
また配合されている染料も様々で、植物由来の色素を使用した白髪染めカラートリートメントも。
髪の補修効果もあるので、白髪染めによる髪のダメージが気になる方にもぴったりです。れnn
特別な準備がなく使えるので、白髪染め初心者さんでも簡単に使うことができますよ。
白髪染めシャンプー
シャンプーの中に白髪を染める染料が入っているのが白髪染めシャンプー。
- 塩基性染料
- HC染料
- 植物由来の色素
白髪染めトリートメントよりも着色効果はゆるやかですが、商品によっては手に色が残りにくいというメリットも。
通常のシャンプーと使い方は一緒なので、白髪染め初心者の方、時短で染めたい方におすすめのアイテムです。
ヘアマニキュア
ヘアマニキュアは髪の色は変えずに、髪表面に色をつけるカラー法です。
- 酸性染料(タール色素)
色付きがよく、白髪トリートメントや白髪シャンプーよりも早く発色するのが特徴。
ダメージもないので気軽に使えて、すぐに色を変えたい方にもおすすめですよ。
ただし、皮膚や頭皮にも着色しやすいので生え際ギリギリなどには塗布できないので注意が必要です。
ヘナカラー
植物由来の天然色素成分ヘナで染める方法。
- 天然由来のヘナ色素
- 天然由来のインディゴ色素を配合しているものも
一度ではそまらずに、何度か使用することで白髪が染まります。
肌に優しい着色料で、髪に弾力を与える効果も!
一方で、自然由来の染料のためカラー展開が限定されてしまうというデメリットもあります。
頭皮環境が気になる方や髪のハリ・コシが欲しい方におすすめです。
ジアミンアレルギーを持つ人は白髪はどうしてる?体験談を調査しました
ジアミンアレルギーを持つ人の白髪ケアの体験談を25名の方にアンケートを募集した結果、1位はヘナでカラーリングをしている方でした。
またセルフでは白髪染めトリートメントで白髪ケアしてる方も25人中6名と2番目という結果に。
その他と答えた方は1名で「ノンジアミンのヘアカラーでカラーリングしている」という回答でした。
白髪染め製品を使用する前には必ずパッチテストを行いましょう
白髪染め製品を使用する前は、製品に記載の方法にしたがってからなずパッチテストを行いましょう。
今まで問題なく使えていた製品であっても、突然アレルギーが起きることも…。
- 白髪染め製品を取り出し、少量まぜてテスト液をつくる
- テスト液を腕の内側に塗る
- テスト液を塗って30分後・48時間後に観察
パッチテストは、白髪染めを行う前(48時間前)にその製品でアレルギー反応が起きるかどうかを事前に確認する一番有効な手段と言われています。
製品使用の48時間前に実施し、パッチテスト中は入浴やシャワーは控えるか、テスト液をぬった部分が水に濡れないように注意しましょう。
テスト中に異常を感じたらすぐに拭き取って洗い流してください。
パッチテストで問題ないことがわかれば、安心して白髪染め製品を使えます。
参考情報:皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を実施しましょう
【独自口コミ調査】ジアミンアレルギーの対策について100人に調査しました
「ジアミンアレルギーにならないためにしている対策は?」とアンケート調査を実施。
1位は『液が地肌に付かないように染める』でした。
上記の調査結果はインターネット調査(クラウドワークス)を用いて2023年8月23日~8月26日の間に行った合計100名の女性に対するアンケート調査をもとに、株式会社AWAが作成しました。本件に関しては、プレスリリース「【調査レポート】ジアミンアレルギーにならないためにしている対策は?1位は「液が地肌に付かないように染める」でした!|株式会社AWAのプレリリース(prtimes.jp)」もご覧ください。
【Q&A】ジアミンアレルギーに関するよくある質問
ジアミンアレルギーになると顔が腫れるの?まぶたも腫れる?
重度の場合は、顔やまぶたが腫れることがあります。
通常は、ジアミン入りの薬液に触れた部位に症状が現れ、さらに強いアレルギー反応が出た場合は顔やまぶた、全身が腫れることも。
ジアミンアレルギーは重症化するとどうなる?
全身にアレルギー反応がでる?後遺症は?
全身にアレルギー反応がでる?後遺症は?
長年ジアミンが原因の皮膚かぶれを放置していると重症化するリスクがあります。頭痛やめまいからアナフィラキシーショックに陥ることも。
また、頭皮、顔だけでなく全身に発疹やかゆみが出てくることも少なくありません。
すぐに治療せずに放置し続けると、かぶれによる後遺症に悩まされるリスクもあります。
ジアミンアレルギーは治るまでどれくらいかかる?
症状によりますが、比較的軽い場合は、3日〜10日程度で治ると言われています。個人差がありますので気になる方は皮膚科を受診してくださいね。
ジアミンアレルギーの検査方法は?
ジアミンアレルギーを調べるには、製品使用前に行う「パッチテスト」が最も有効な検査方法。
白髪染め製品についている説明書にパッチテストの方法がのっているので参考にしてください。
アレルギー科や一部の皮膚科でもパッチテストを行っていますよ。
気になる方は問い合わせてみましょう。
ジアミンアレルギーで蕁麻疹になるの?
即時型アレルギーの症状として蕁麻疹がでることがあります。
ジアミンアレルギーなのに気が付かず、白髪染めヘアカラーを続けていると症状が悪化して蕁麻疹になるケースも。
頭皮、生え際、首筋にボコボコとした蕁麻疹のような発疹がでてきます。
ジアミンアレルギーになる白髪染めは?
ジアミンアレルギーの原因は、「パラフェニレンジアミン(PPA)」や「トルエン-2,5-ジアミン」などの成分。
ジアミンアレルギーと診断されている方は、これらの成分が入っている白髪染めを使うのは控えましょう。
ジアミンアレルギーでも使えるカラー剤が知りたい
ジアミン系の染料を含まない「カラートリートメント」「カラーシャンプー」「ヘアマニキュア」「ヘナカラー」などがあります。
白髪染めアレルギー、ジアミンアレルギーの初期症状は?ヘアカラーかぶれの画像がみたい。
白髪染めやヘアカラーによるかぶれはジアミンアレルギーの可能性があります。
これらの初期症状としては、頭皮、髪の生え際、首、耳の後ろが赤くなったりかゆみがでてくることが多いです。
まれに顔が腫れたり発疹や水疱になることも。
画像は記事の中で紹介していますので、参考にしてください。
ジアミンアレルギーで皮膚科に行くタイミングは?
白髪染めヘアカラー後48時間でジアミンアレルギーの症状が最もひどくなります。
その間にかゆみ、赤み、腫れ、ぶつぶつなどの皮膚異常が現れたら、皮膚科を受診してください。
ジアミンアレルギーに良いシャンプーは?
ジアミンアレルギーで頭皮がかぶれているなどの症状が出た場合、低刺激のシャンプーが肌に負担をかけずに洗えるのでオススメですよ。
- グルタミン酸系(ココイルグルタミン酸Naなど)
- アラニン系(ココイルメチルアラニンNaなど)
- グリシン系(ココイルグリシンNaなど)
- ベタイン系(コカミドプロピルベタイン)
これらのアミノ酸系の優しい洗浄成分配合のシャンプーを使うようにしましょう。
カラートリートメントはアレルギーの症状がでにくいって本当?
カラートリートメントは、ジアミン不使用なのでジアミンアレルギーが出ることはありません。
ただ、人によってはカラートリートメントの染料である塩基性染料やHC染料でアレルギー反応が出てしまう方もいらっしゃいます。
カラートリートメントを初めて使用する際も必ずパッチテストを行い、アレルギー反応が出ないかチェックするようにしてくださいね。
ジアミンアレルギーの検査キットはある?
ご自身がアレルギーかどうかを検査する方法として、製品使用前に行う「パッチテスト」が最も有効な検査方法。
白髪染め製品についている説明書にパッチテストの方法がのっているので参考にしてください。
アレルギー科や一部の皮膚科、美容院でもパッチテストを行っていますよ。
気になる方は問い合わせてみましょう。
ジアミンアレルギーは顔や首だけに出ることある?
ジアミンアレルギーは、顔や首だけに出ることが多いです。
アレルギー反応の症状が出やすいのは薬液が触れた髪の毛に近い部位。
顔や首、または耳の後ろに現れるのが一般的です。
まとめ:ジアミンアレルギーとは?突然ヘアカラーでアレルギーになる原因や対処法を解説
ジアミンアレルギーは、白髪染めヘアカラーに使われる染料「ジアミン」によって頭皮などに炎症やかぶれを起こします。
- カラー後48時間後がもっとも症状がでる
- 今まで問題なく使えていても突然アレルギーが発症することも
- 一度発症すると治らない
- 発症したらすぐに皮膚科を受診
- 施術前は、必ずパッチテストを行いましょう
もしジアミンアレルギーと分かったらジアミン配合の白髪染めヘアカラーは避け、白髪染めトリートメントや白髪染めシャンプーなどで白髪ケアしておしゃれを楽しみましょう。
白髪を染める方法は今沢山あるので、ご自身のお肌に合った選択肢を。